カメオという美しい美術品、
少し古めかしく、クラシックで、「ブローチ 着けております」的な品行方正な雰囲気が苦手でした。
でも、その彫りは人の手が加えられた作家としてのプライドも感じられるステキな素材であること。
独特の品の良さも女性の内からの美しさを引き出すし、やはり今この時代にカメオを着ける楽しみを広げていきたいと思ったのでした。
カメオの説明
大まかに瑪瑙カメオとシェルカメオがあります。
瑪瑙カメオ、その歴史は古く古代エジプト時代(紀元前3000年)にまで遡ります。
(これは今の瑪瑙カメオ、ストーンカメオとも言います)
カメオが広まったのはそのあとの紀元前300年ごろのギリシャ時代と言われています。
この頃のカメオはお守りとして神聖なものとして身につけられていました。
硬い瑪瑙等の天然石に彫るのは容易ではないと思いますが、大事な人の似姿を保存するのは写真のない時代ですから惜しみなく製作を依頼することでしょうね。それを眺めていたのかな、となんともロマンティック。
古代は男性が持ち歩いていたそうなので妻や恋人、子ども達が近くで見守ってくれる、そんなジュエリーは心の支えとなったことでしょう。
ローマ帝国時代には皇帝や英雄、中世にはキリスト教の宗教的なものがカメオのモチーフとして多く使われました。
古代ギリシャの文化的でアカデミックな世から交戦的な古代ローマの世へ。やはりモチーフにも変化があります。
絵画は世につれ、世は絵画につれ。?
古代ギリシャ・ローマ時代に流行したカメオですが、一度廃れてしまいます。
そのあと、あのルネサンスの時代に花開くことになるカメオ、それはまた、次のジャーナルで。
お客様のカメオ
お客様からカメオと琥珀と黄水晶をお預かりしています。昨日はそのお打ち合わせにいらっしゃいました。
現在のカメオとしては、ネックレスとしてお使いいただくのはどうかとご提案、
華やかな雰囲気の方、日常的にジュエリーをしていらっしゃる。
お似合いになるイメージを強く持ち、何度もパーツの並びを考えやり直しています。
クラスプの形、細かなところを確認していただき次はいよいよ仕上げになります。
でも、これらのクラスプは使わないのですが。
楽しい時間でした。
さぁ、細かなところも決まり丁寧に仕上げの時間に。楽しみです。